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セント・オブ・ウーマン/夢の香り [映画感想 さ行]

セント・オブ・ウーマン 夢の香り

セント・オブ・ウーマン 夢の香り

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2006/06/23
  • メディア: DVD


映画タイトル:セント・オブ・ウーマン/夢の香り
初公開年月 :1993/04/
監督:マーティン・ブレスト
脚本:ボー・ゴールドマン
出演:アル・パチーノ  クリス・オドネル  フィリップ・シーモア・ホフマン 他

■2006.11.1(水) 本日の一言■

本日の映画の感想は、『スコア』と同じように、このブログのコメントから紹介された
『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』である。
この作品は盲目の退役軍人をアル・パチーノが見事に演じ、初のアカデミー賞の主演男優賞を
獲った作品だ。私は今回が初見であるが、この映画が公開された当時、観に出かけた友人は
「すっごく!良い映画だった」と手放しで誉めていたことを思い出す。
私としては、ここのところアタリの映画が続いているので、今回もアタリの作品とといきたい
ところである。名優揃いなので、期待はとても大きい!(^^)v 

まずはあらすじから。
奨学金で寄宿制の進学高校に通うチャーリー(クリス・オドネル)は、クリスマス休暇に実家へ
帰る資金を稼ごうと感謝祭の休暇にバイトをすることに。バイト先は失明をしてしまった
退役軍人のフランク(アル・パチーノ)の家で彼は世話になっている姪の家族とは別行動で、
自宅に残ることを決めている。顔合わせの面接で、気難しいフランクの印象は最悪だったが、
フランクの世話をしている姪に切望されて結局、チャーリーはこのバイトを引き受ける
ことになる。
そんなバイトの前日に、チャーリーは学校内で起こった、校長に対する同級生のタチの悪い
いたずらに巻き込まれ休暇明けに、犯人が誰であるかを告発するよう校長から
強いられることに。
重い気持ちを引きづりながら、フランクの家に向かったチャーリーだが、フランクはこれから
すぐにニューヨークへ旅行へ行くので、同行しろと命令するのだった。

それでは感想である。
★以降、ネタバレもありますよ★

主演のアル・パチーノといえば、マフィア・・刑事・・・という印象が強いのだが、
今回の彼の役どころは失明をしてしまった気難しい退役軍人である。
しかし、役の設定こそ彼には珍しいものではあったが、この映画の流れは誰もが理解しやすい
男同士の友情が結ばれるまでの物語で、映画を観ている途中からある程度、エンディングの
目安はついてしまう感じはある。それでもこの作品を最後まで楽しめてしまうのは、
主役から脇役にいたるまでの個性づけがはっきりしていることと、
出演者たちの演技がウマイこと、また画面を流れてゆく一つ一つのエピソードが、
興味深くおもしろく作られているからだと思う。
自分の思う通りに生きてゆく・・といった風情のフランクと生真面目で、正しく生きてゆきたいと
思っている高校生のチャーリーは、初めこそ雇い主とバイト人という関係でニューヨークに
降り立つのだが、移動中の飛行機や車の中、泊まる高級ホテルでフランクが語る話に、
チャーリーの彼に対する印象が口こそ悪いが言っていることは、まんざら外れているもの
でもないと思っている風情が楽しく、しかしその反面でそのままトントン拍子に二人がすぐに
意気投合して友人になるような甘さを作らなかったところが良い。
思えばこの映画は甘さと苦味を交互に紹介し、その変化を味わうところに楽しさがあるのだろう。
新品のスーツを新調し二人ででかける楽しさ、しかしその先にあるフランクと家族との亀裂、
フランクが初対面の美しい女性とタンゴを踊るイキな感じ、だが彼女が待っていた男は調子の
よさそうなヤサ男・・。(--)高級コールガールとの逢瀬を堪能し、満足した微笑を浮かべた
フランクが、翌朝には憔悴しきり絶望に足をかけはじめたりと、フランクの満ち足りた気分と
その後の直面しなくてはいけない現実感、それらを乗り越えようと悪戦苦闘するチャーリーの
誠実さが映画に深みを与えるのだ。なかなか家族でもない人にここまでの誠実さを示すのは
難しいと私などは思う。失明しているフランクにフェラリーのハンドルを握らせ運転させる
ところなどは、映画とはいえ無理がありやりすぎでは・・と私の首は一瞬、傾いたが、
ここまでチャーリーがフランクと共に行動したからこそ、フランクは人生を取り戻したのだと
思うようにし自分を納得させた。(^^;;;)
さて、次に恒例??のこの映画で感じたケチも書いておこう。(* ̄Oノ ̄*)ホーッホッホ!!
それはアメリカ映画によくあるモノで、アメリカでは珍しいことではないのかもしれない。
しかし私にとっては、いつも「ウーーンそこまでやりますか・・」と顔を覆いたくなるのが、
一人演説シーンで、今回のこの映画のエンディング近くの見せ場でそれは開始された。
チャーリーの通う高校の校長に対するイタズラを裁く公聴会が、旅行から戻るとすぐに
とり行われ、そのイタズラの現場に居合わせたチャーリーが、犯人の名を知りながら言わず
非常に不利な立場になるのだが、そこにフランク様(様をつけたくなるような風情がある)が
大演説を開始するのである。まぁ、かいつまんで彼の言ったセリフをアップしてみると
「彼は友人を売らなかった!」「彼には汚れのない魂がある!」
「彼を助けたことをいつか誇る日がくる!」のようなものたちで、これらのセリフを聞いて
私は、どうしますっ!汚れのない魂!なんて・・大袈裟すぎないか??聞いていられない!
ヤメテェエエエ!!!\( ̄▽\;)<ヒャアアアアアア!!と一人、赤面するのを止めることが
できなかった。日本人ではとても言えないセリフの数々!またそれに感動する聴衆たち・・
会場は一斉に拍手喝采。おまけに無罪放免にチャーリーはなってしまうしで
「うーん理解不能だ・・私だったらこの会場で一人孤立する悪校長とは別の意味で孤立感を
味わいそうだ」と、体にわきあがる妙な汗をふきたくなった。(; ̄ー ̄A アセアセ・・・ 
アメリカ人は、こういう「愛」とか「困難な道を選んだ勇気」(私などは書いていても
ゾクゾクッと背に何か走るモノを感じるが)大演説が好きな国民性なのか?
嘘っぽい・・とか、大袈裟とか思わぬのかと、とても奇妙な気分を味わった。

次に俳優の感想。

失明した気難しい退役軍人、フランクを演じた、アル・パチーノ。
まずは彼の失明した人間の演技に「すごく!ウマイなぁああああぁあ!」という
驚きの声をあげた。目に表情がでないところ、目に視点がなく動かないところなどは、
本当に天晴れな演技である。演じるにおいては大変だったと思う。人間、ちょっとでも
気になるものが目に入っただけでも瞳は動く、それを完全に殺しきれていたことに
頭が下がる。タンゴを踊るシーンはシャレっ気もあって秀逸だ。思わず全て観終わった後、
再びこのシーンだけ観てしまったほどだ。ただ、セリフの言い回しなどは彼が出演していた
映画『フェイク』のガラっぱちの下っ端マフィア役とダブルところもあったように思う。
しかしそれについて目をつぶっても、素晴らしい演技ぶりである。彼の演技をみるため
だけにこの映画をみる価値は充分にあるはずだ。

次、フランクと共に旅行へいく高校生、チャーリー役を演じたクリス・オドネル。
外見も演技も、アメリカでみかけそうな賢そうな高校生。
演技の見せ所というものは、正直あまりないのだが無理をして演じているという
雰囲気もなく、彼がこの映画で穏やかな光の役をになっているのは言うまでもない。
彼がいるおかげで、ハラハラしたシーンからホッとできるシーンに移行ができるのだ。
地味だが堅実な演技を楽しませてくれる。次回作にも期待したい俳優さんだ。

次、チャーリーの友人で狡賢く事件から立ち回ろうとするジョージを演じたのが
フィリップ・シーモア・ホフマン。
まず出てきた瞬間、いやはやホフマンが高校生・・(^m^)プププと笑ってしまった。が
今回もイヤなヤツの演技を細かく披露しており、特に目つきが悪い演技がよく、
若い頃から演技はうまかったのだなぁ・・と感心してしまう。出番は少ないけれども
印象は深く残る役どころだ。
次はどんなイヤぁなヤツを演じてくれるのか・・非常に楽しみである。

最後に映画の全体的な感想を書いておく。

フランクとチャーリーが最悪の出会いをし、ニューヨーク旅行へでかけるあたりから、
この映画の終わりには、二人が友情と共に帰国してくるのだな・・ということが
予見でき、予見どおりの結末を迎えるのだが、それでも不思議と腹がたたず
清々しい後味でエンディングを迎えることのできた作品である。
多少の突っ込みどころはあるが、それでも孤独から自分の心の中に光を取り戻し
自分の家へ帰ってゆくフランクの後ろ姿は、やはり微笑ましく見送ってしまう。
ああいった穏やかな背中なら、いつでも見たいと思う。
(余談だが、私は20代の頃に生の王監督の背中をみてから背中フェチなのだ。( ̄▽ ̄;))

人の誠実さを味わいたい方に・・老若男女 問わずに見れる秀作な映画である。


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コメント 7

のんたん

こんばんはー^0^
楽しみにしておりました。まなてぃさんがどう書かれるかなあって♪
おっさるとおりでございます!ってうんうん言いながら読みました。
>さて、次に恒例??のこの映画で感じたケチも書いておこう。
あはは、にやりとしちゃいましたよ。私なんかは単純なんで、ここの
一人演説シーンで感動しちゃったんですけどね。めでたしめでたしって。
この映画はあのタンゴのシーン、アル・パチーノの目の演技が圧巻。
クリス・オドネルも毒のない青年ってのがぴったりでした。
NYに旅行に行ったとき、ウォルドルフ・アストリアホテルで写真を
撮ってきました。この映画を見た記念のつもりで。
しかし外観のみです。中に入る勇気がなかったもので~(^^;
by のんたん (2006-11-02 02:28) 

ども。私は盲目のパチーノが車を運転するシーンが好きですね。演技はいいですけど、オスカー狙いでちょっと過剰にみえてしまうかな・・・。クリス・オドネルは期待の若手でしたけど、最近はさっぱり見かけませんねえ・・・。
by (2006-11-02 11:12) 

まなてぃ

>noricさんNiceありがとうございました。(^^)
by まなてぃ (2006-11-02 19:19) 

まなてぃ

>こんばんは、のんたんさん。コメントどうもありがとうございます。
のんたんさんからのコメント紹介でこの映画をみましたが、
本当に楽しめて良い気分にさせてもらいました。
母も一緒にみたのですが、母は涙してました。(^^;)
ウォルドルフ・アストリアホテル、いいですよねぇ。
私もいってみたいですね。泊まることが不可能なら
茶くらいティーラウンジで、すすりたいもんです。(笑)
by まなてぃ (2006-11-02 19:25) 

まなてぃ

>katoyasuさん、こんばんは。Nice&コメントありがとうございます。
パチーノの運転するシーンは、本当にハラハラさせられました。
角を曲がるたび、「ひゃっ!ひゃっ!」と悲鳴をあげるので、
妹が覗きにきたくらいでしたね。
クリス・オドネルは『バッドマン』ででていたような気が・・・
他に出ているのかなぁ。あとでちょっと調べてみよう。(笑)
by まなてぃ (2006-11-02 19:28) 

tamapin

お邪魔します。
私は個人的にかなり絶望していた時に映画館で見て、救われた思いをしました…懐かしいです。
大演説といえば、先日NHKでやっていた9.11.遺族の番組で、息子を亡くした老婦人が、これ以上の死者はいらないとイラクからの撤兵を呼び掛けるビラをまいていたところ、通りかかった老人が「おまえのやっていることはアメリカに迷惑をかけている」と激しい口調でなじっていました。お年寄りの女性に、しかも息子の亡くなった場所で、例え意見が異なろうと口に出すかね、そしてそこまでの調子で言うかね!とびっくりしたのですが、最後にその老人はカメラに向かって「私はアメリカ人だ」と叫んでフレームから消えました。多分、愛国者である、という意味を持たせてのセリフなのでしょうが…なるほど、かの国ではあれくらい言って(言い倒して!)当たり前なのかもーなどと想像しました。
by tamapin (2006-11-12 18:27) 

まなてぃ

>びんさん、コメントの返事が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。
プラス!Nice&コメントありがとうございました。
アメリカというのは、あのくらい言い倒してあたりまえかと思えば、
急にナイーブな面も見せる不思議な国だなぁあ・・と映画をみていて
よく思います。日本人も最近は自己主張が強いように見えますが、
格好よくは、なかなか決められず、これもまた「うーん」(--)と
うなることもシバシバ。(笑)
びんさんのコメントを読んで、自分の意見をサラリと言うのは難しい。とシミジミと思わせてもらいましたね。
by まなてぃ (2006-11-18 01:16) 

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